津月.space

無秩序な現実に軌跡を描く事で秩序を保とうという目的のブログ 現在社会復帰中 2020/11/24

夜が明けなければいいのにと思った 2021/01/14

ここ一年交ツウ(検索避)調査のバイトを受けられる時は受けているのだがコロナウィルスの関係で去年の5月くらいから調査前の検温をする事になった、遠征をするときは車に人を詰め込んで1、2時間走るし、クライアントが行政なので厳しいらしい。

いつも通り誰もいない早朝(といっても3時~6時と色々)に集まって検温をするが、監督員がコロナの再流行の関係で今日から体温計音が鳴るとこを確認すると言って一気に不安になる。

正直、交ツウ調査のバイトで一番嫌いな時間は仕事前の検温だ。 私は少し平熱が高く引っかかりそうになる事がある上に、この体温計は非常に不安定で遅い時と早い時があってよく待たせてしまうし、なにより体温という直接どうしようもない生理現象で仕事の有無が決まってしまうこと、こんな早朝で街に残されてしまったら…

最後の一人になって測るもまだ鳴らない、焦りで熱いのか寒いのか分からなくなってくる。

結局、これ以上待つと全員が遅刻になるということで私一人を残して出発する事になった、今日の仕事がなくなった、現実になるはずだった虚構は嘘になった。

目覚めていない街を歩く

ベンチに重くすわって乗るはずだった車を目で追って、見えなくなったとき、一人きりの広場になって糸が切れたように一人地団駄を踏んで小さい地声のまま叫ぶ。内容は覚えてないけどクソとは言ったと思う。

……さて、どうしようか 電車もバスも乗せてってもらった家の車も使えない早朝の5時でカフェは開いてない、駅近くのコンビニに入ったもの椅子が無い、思い出したように床を強く踏む、コンビニの予測式体温計(測るのが早い)を見た後、元凶の体温計を見つめて叩き捨てたい衝動をなんとかやり過ごした。

連絡して家に帰るのもアリだったかもしれないけど「有意義な日」を取り戻したくて真夜中でも通じるほど暗く人気のない1月の5時の中心街を肩を落として歩き続ける事にした。

「まぁ 今月の収入が7分の1減っだけだ、7分の6はある」

「嫌な事だったけど"これから悪いことが起きる"訳ではないから不安に駆られてはいない。」

「自分の責任でもないし相手の責任でもない、体温計が悪い」

「十数秒で測れる予測式体温計を買えばいい」

「自分を置いて行った車はその後事故って自分は助かった」

ポジティブになろうと必死に思考を巡らせ防衛機制を働かせる。 商店街は当然シャッターが降りていて殺風景な一点透視図になってるのに街灯だけが不気味に明るい。

夜が明けないでほしい

同じようなところ歩いているうちになんだか暖かい気持ちが出てきた 早朝の冬の寒さと人気のないこの目覚めてない街が、今の傷心な私に寄り添ってくれている様な気がして、 ずっとこのままだったらいいのにな思ってしまう。

日の出後にこの不運が訪れてたら、人目で地団駄も踏めなかったし喧騒で内省に耽ることもできなかっただろうな。 締め切りが迫ってて「夜が明けないでほしい」と思ったことはあったけどこんな気持ちで「夜が明けないで欲しい」と思ったのは初めてだ。 一番上のツイートは街が目覚める前に必死に呟こうとしたもの、でも全然書き切れていない。  忘れてしまう前にこの体験を書きたくなった、だからよく行くスターバックスがちょうど開くのでそのまま入ってブログを書こう。

終わりに

こんな日記を、仕事中のパイプ椅子に乗せるはずだった座布団をスターバックスの椅子に乗せ、現場で食べるはずだった手作りおにぎりを食べながら書いている。一番最初の記事がこんな不運から生まれるなんて、説明不能な情念が湧いたんだと思う。 やる事 □ 次の為に予測式温度計をケチらずに買おう